2011年6月20日月曜日

エドゥアルド・ナランホの絵画「夢を育てる空間」



「東北東海岸地域の惨状」「原発事故の恐怖」以降、時折わたしの脳裏を走る絵がある。詩人でもあるエドゥアルド・ナランホの絵画「夢を育てる空間」が、それである。生と死の問題に取り付かれた詩人エドゥアルド・ナランホの絵画は、徹底したリアリズムの手法で描かれる。しかも、現実の狭間に放置されたかのように、それらの多くは空虚そのものである。このスペイン画家「エドゥアルド・ナランホ」は、わたしと同時代(年齢は3~4歳わたしより上ですが)に生きている。この人にも「スペイン画家ダリ」の影響が多少見られるものの、その時代背景が影を落としていることは明瞭に伝わってくる。1960~1980年(わたしたち少年期~青春期)は、視覚的にはかなり刺激の多い時代と言える、言葉を変えれば「シュールな時代」だったのかもしれない。まさに日本が置かれている今の状況は、再び訪れた「シュールな時代」なのかもしれない。むろん、「夢を育てる空間」が意味するところは「謎」ですが、「空虚」を背負う覚悟だけはしないといけない。