2011年2月18日金曜日

ルドンの「ケンタウロスと龍」


ルドンの描く「象徴的な世界」が個人的に好きで、よく取り上げているのです。この「ケンタウロスと龍」は、ギリシア神話から題材を得ています。ケンタウロスが龍と闘っているところを描いていますが、闇の中に浮かぶその姿に、わたしはいつも静寂とむなしさを感じてしまいます。ケンタウロス(下半身が馬で上半身が人の姿)には、きわめて攻撃的(野蛮)なものと、知性を備えたものとがいます。むろん、その両方を持ち合わせたものも多くいたと思います。いずれにしてもギリシア神話では、英雄ヘラクレスの手でケンタウロス族は滅ぼされてしまいます。ケンタウロスの姿の裏に人間の姿をダブらせて見てしまうのは、わたしだけだろうか・・・。

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