2011年3月4日金曜日

レオナルド・ダ・ヴィンチの『聖ヒエロニムス』


『聖ヒエロニムス』、この板に描かれた絵は、長く行方不明でした。顔の部分は、切り取られ、なんと靴屋の椅子に貼り付けられていたのです。今日、この状態で見られることは、奇跡と言っていいのです。しかも、この絵がレオナルド・ダ・ヴィンチの手になるという「裏付けになる資料(確証)」は何もないのです。そのすぐれた素描力と同時期のスケッチなどから推測しているにすぎないのですが、レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作として疑う人は誰もいません。わたしは、この絵が好きです。この頃(晩年)のレオナルドは、叔父の遺産相続や葡萄園の水利権のことで役所や裁判所に頻繁に行き来している。しかしながら、公証人や知人を間に入れてみるも、なかなか「解決」できずにいる。数か月を要するもまったく進まない交渉時に、「愚かな手続きのために無駄と思える時間を費やしている」とレオナルド・ダ・ヴィンチはメモを残しています。老人のスケッチが多く見られるのがこの頃なのです、観察していたのかもしれません。おそらく、レオナルド自身の老いも感じていたのかもしれません。レオナルドは、膨大なノートやメモを整理(後の手稿)し、フランスに行く(都落ち)ことになります。

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